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コーヒーの香り (2/27 '09)

 先日、立ち寄った店の人に、コーヒーの匂いがする、と言われ、少々恥ずかしくなりました。というのも、自分では全く気づかなかったからです。コーヒーの焙煎や粉に挽いているうちに、服や髪にコーヒーの匂いが染み付いてしまったのでしょう。

 以前よく行っていた珈琲屋、ドアを開けた瞬間にふわっと鼻に入ってくる、店内に立ち込めていた香ばしく甘いコーヒーの香り、それと同じ香りに店が染められていくのを、開店当初は嬉しく思っていました。そういえば、そんな“店に入る瞬間の楽しみ”、あの時の新鮮さは薄れているなあ、とふと思いました。1週間ぐらいコーヒーと全く接しない時間を作れば、またその新鮮さを感じることができるのかもしれません。

 『珈琲一杯の薬理学』(岡希太郎 著)という本によると、コーヒーの香りには、気持ちを癒してくれたり、緊張をときほぐし、リラックスさせる効果があるそうです。たしかに、コーヒーは飲めなくても香りは好きという人は多いと思いますし、コーヒーの匂いが嫌いという人に自分は会ったことがありません。当店に来る赤ちゃんでさえ嫌がりません。

 “コーヒーの香り”とひとくちに言っても、どのコーヒーも同じ香りがするわけではありません。コーヒーを客観的に評価する方法のひとつに「SCAAカッピング基準」というのがあるのですが、その評価項目の一つに「Fragrance / Aroma」があります。簡単に言うと、粉に挽いて湯を注ぐ前の香りの評価がFragranceで、湯を注いで約4分後の香りの評価がAromaです。何種類かのコーヒーを同時にカッピングすると、それぞれの香りの違いが実感できます。特徴的で素晴らしい香りがあるコーヒーには高い点が付きます。初めてエチオピア・ミスティバレーをカッピングした時は、それまで飲んだどのコーヒーとも明らかに異なる香りで衝撃を受けました。フルーティーな香りで個人的にはストロベリーのように感じました。(カッピング用に浅めにローストした場合)

 また、同じコーヒーでも場面によって香りが変わります。粉に挽いたときの香り、湯を注いで立ち昇る香り、飲んだときに口から鼻に抜けていく香り、コーヒーを淹れた後、一度その部屋を出て、戻ってきたときに改めて感じるコーヒーの甘い移り香…、コーヒー豆(粉)とお湯、そしてほんの少しの空き時間さえあれば、そんなかぐわしいちょっとした贅沢を味わうことができます。